活動報告
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国際交流と人道支援活動

画像社団法人全国水和会 埼玉県本部 本部長
埼玉県本部では、平成二十二年十月十日に開催された、所沢市制六〇周年記念行事「所沢祭り」と同じく同月三十一日に開催された「所沢市民フェスティバル」に国際交流と人道支援活動のため参加しました。

今日、わが国の社会は、諸外国との人的交流及び物的交流が飛躍的に拡大し、わが国に在留する外国人は急激に増えています。そのため言語、宗教、習慣の違いから、外国人をめぐってさまざまな人権問題が発生してきています。
そんな問題を少しでも解消するため埼玉県本部では、外国人との交流を深めたり、対話集会を行っています。


外国人との対話集会の中で、インド料理店を経営するパキスタン国籍の男性(45歳)は、日本に来日して26年になるそうです。来日当時は、言葉も習慣も宗教も違うところから、さまざまな差別を受けたそうです。仕事の面接に行くと「外人だから」とか「日本語しゃべれないとダメ」だとか「飲食店だから色の黒い外人は客が嫌がる」などひどい言葉を浴びせられしばらくは、仕事に就けなかったそうです。

住むところも食べる事も出来ず野宿したり日本に在留する同じ国の友人宅を転々したりした辛い生活を送ったそうです。その後、男性は、日本語を勉強し建築作業員として就職し一生懸命働きました。現在は、日本人女性と結婚し三人の子供たちにもめぐまれ幸せな家庭を築き、インド料理店を経営するまでになりましたが、ここまで来るのには大きな苦労があったそうです。男性は、自分自身の過去の経験から人に対して「思いやりをもって相手を尊重してあげることが大切な事」と思ったそうです。

また、人と人は、助け合い支え合って生きていく事が大事なことだとも考えているそうです。近年では、世界各地で起きている悲惨な報道を観るたびに「自分に何か出来ないか?」と考えていた時、自分の生まれたパキスタンで大変な災害のニュースが飛び込んできました。それは、昨年七月下旬に起きたパキスタン建国以来最悪ともいえる洪水被害で、死者は3800人以上、被災者は国民全体の10%以上にあたる2800万人以上の人が、清潔な水や医療を得る事が出来ないまま不安な日々を過ごしているとの報道でした。v

男性と我々スタッフは「被災者に何かできないだろうか・・・」と話合い、そこで考えたのが「所沢祭り」と「所沢市民フェスティバル」への参加でした。このイベントでは、会場に個人、企業による出店ブースが設けられるので、そこで男性のインド料理店を出店しその売上金の一部をパキスタンの洪水被災地へ送ろうというものでした。しかし、このブースの出店は抽選で当選した人だけが出来る仕組みになっていました。早速、応募した結果、見事当選し出店に向けての準備を着々と進めました。

画像両日とも、前日までの雨が心配されましたが、天候にも恵まれ各イベント会場には、30万人以上の人々で賑わいました。朝、テントの設営が終わるとカレーを温めたり、ナンやタンドリーチキン、シークカバブなどの料理を炭の入った窯に入れ販売の準備を進めました。そんな作業も店のスタッフに聞きながら冗談を言ったり和やかな雰囲気のなかで楽しく過ごせました。

営業中、店のスタッフに出身国を聞くとネパール、スリランカ、インドとさまざまな国から来日している事がわかりました。「日本にはどうして来たのですか?」と聞くと「日本は仕事がいっぱいあるし、日本で働いたお金は家族に送ってあげないといけないから」と話してくれました。何れの国も貧富の差が激しく貧しい家庭では家族の誰かが外国に出て働いて家族を養うのが当たり前のようです。


そのため、家族や友人と離れ離れになるのは数年間にも及ぶそうですが、「それで家族が助かるなら全然大丈夫です」と言っていました。それを聞いて幸せボケしている自分が恥ずかしくなりました。また、「日本に来て困った事はありますか?」と尋ねるとやはり習慣の違いと言葉の問題との事でした。しかし、インドから来た青年は「日本人はみんなやさしいから大丈夫ネ」と言って微笑んでいました。安心した反面、今の日本人は「自分さえ善ければ」と考えがちの人が多いので、彼の答えに疑問と不安が入り混じった気持ちになりました。

何れにしても、もっと会話や交流が大事だと思い、休憩時間を使ってカタカナを教えてあげると彼は真剣にメモを取って覚え、喜んでくれました。和やかな雰囲気の中で時間は経過しイベントも終盤を迎えると店のスタッフと我々スタッフは一つになって「いらっしゃい」を威勢よく大きな声で張り上げながら連呼し最後の売り込みに入りました。そんな活気あふれる中、盛大に行われたイベントも終わりを告げるアナウンスが聞こえてきたので店の撤収作業に入りました。撤収作業は、みんなが一丸となり役割を決め素早く作業を進めました。作業が終わると、参加者全員で記念写真を撮り、ひとりひとりと握手をしながら、また会う事を約束し名残惜しいひと時を終えながらその後、解散しました。

二日間の売上金の一部は、男性経営者と埼玉県本部幹部とともに、平成二十二年十一月十八日、所沢市役所を訪問し、担当部署である福祉総務課から日本赤十字を通じてパキスタン洪水被害義援金として寄付する手続きを取って来ました。

現在、被災地のパキスタンでは、4000円の支援で、毛布5枚と飲料水を汲むためのポリタンク、蚊帳2張りが提供でき、5000円で20人の子供たちが、感染予防の抗生物質を用いた治療ができ、10000円で医療用の包帯が50セット用意することができます。洪水の発生から5ヶ月以上過ぎたいまも、100万人が自宅を失ってテント生活を強いられ、厳寒の冬に食糧、水、燃料不足が続いている状況です。

国家間の利害関係や貧富の差によって、被害者の苦しみがさらに増幅されないよう、いまこそ国際社会からの支援が切実に必要だと感じました。人権に国境はありません。

我々(社)全国水和会埼玉県本部は国際交流から得た事を糧に、今後ますます進む国際社会のなかで、外国人のもつ文化や多様性を受け入れ、尊重することが重要であると確信をし国境のない人権啓発運動に全力で取り組んでいく決意です。

 

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