活動報告
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新年のご挨拶

人権は思いやりの“こころ”から 総裁 谷 和幸

新年明けましておめでとうございます。

昨年は多くの皆様に多岐、多様にわたり、御支援を頂きました事を紙面を借りまして改めて御礼申し上げる次第です。人権啓発上映会、青少年育成の啓発活動、障害者に対する啓発活動と様々な分野に於いて人権を考え行動し人権の輪を拡げられた一年だったと確信しています。これもひとえに日頃の会員諸氏の活躍、活動の賜物であり会員の人権に対する熱い思想、信条から起きた結果であると心から感謝するとともにこれからも更なる啓発活動を実施し多くの人々と“こころ”を共有し、基本的人権の確立を目指して一歩でも二歩でも止まる事なく進みたいと考えます。

人権は人として誕れ、人間として息絶える迄必ず付き添ってくれる大切な権利です。人が作った法律に照らし合わせても出生前から死してなお人権があると位置づけしています。思想家“ロック”が提唱した自然権もこの様な事だと思います。人権の持っている固有性(人間が人として持っている)、不可侵性(権力によって侵害されない)、普遍性(人であれば差別無く)に基づき全ての人間が人としての尊厳を保持できるというのが人権の基本的な在り方です。我が国の最高法規でもある憲法に於いても基本的人権という言葉が三回も使われていて私達の人権を厚く保護しています。これらの事柄で解るのは人権がいかに尊いもので人権は私達一人ひとりが持っている絶対的な権利だと言う事です。

以前人権に対する意識を一部垣間見る出来事が米国の大学でありました。それは日本の女子留学生が人権に関する事で先生から質問された時の会話です。

先生は彼女に日本に於ける差別問題はどの様な形で存在するのか聞いたそうです。質問に対して彼女は「日本は単一民族社会でマイノリティと言う問題は存在しません。したがって差別問題なんてありません」と答えたそうです。その時知識のある学生が「いや彼女は真実を語っていません」と発言し続けて「日本はアイヌ民族に対して長い間国家対策として弾圧して来たし、同じ日本人である部落の人たちに対する偏見と差別は誰もが知っている常識です」と私はこの会話で多様性の共存というものを否定し続けて来た日本社会の閉鎖性や偏見に満ちたかたくなな姿勢を指摘された様な気がしました。

この会話の後、彼女は大きな声を出しながら泣きだしたそうです。誰が彼女を泣かせ、なぜ泣いたんでしょうか、もし彼女が多文化教育をしっかり受け、多様性の共存を実感していれば国際的な場でも「単一民族」という虚構から解放されたオープンマインドが持てたのではないでしょうか、そして日本に於けるマイノリティの中では部落問題が占める比重は大きなものがあると思います。国連の人権委員会で日本に於ける人権問題として部落差別を取り上げ存在する事実であると注視され世界各国に発信しました。部落住民、部落出身者に対する差別は病気や障害といった社会生活の中から生じている訳ではありません。人種や民族といった肌の色や文化の違いによる差別でもありません。客観的な違いは全くない訳ですから法律や制度に基づく差別でもありません。ではどうして差別は起き続けているのでしょうか、過去の歴史つまり封建時代の身分制度の確立により国民一人ひとりの心の中にある差別意識や偏見によって生まれているという事実です。この事でわかるのは人権侵害の芽は私達の“こころ”にあるという現実であり、又、真実ではないでしょうか。

この様に人は心の思考で人格まで変わる事があります。私は常に発信しています。人権は相手を思いやる“こころ”から始まり相手に伝わる事で確立して行くと、人権問題は時代の流れに添って多岐にわたり拡がっています。これからも現実を見据えた啓発活動を行う事が大事ではないでしょうか。そして私達には今迄以上の多様性の共存が求められている事も事実です。文化、言葉、宗教、生活様式などの多様性を認め合い、尊重し協力して共に生きて行く事が人権の確立にとても大切な事だと信じて疑いません。私共も会是に基づき本年も“こころ”を発信し続け、人権の輪を更に拡げるべく人権啓発活動を行なって参りたいと思いますので宜しくお願い申し上げます。

 

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