「福島県いわき市の老人介護施設でのボランティア活動」報告
平成24年5月20日(日)埼玉県本部、福島県本部の共催によるボランティア活動の一環として福島県いわき市にある医療法人「桂生会・介護老人保健施設」「四季庵」、及び同グループ高齢者賃貸住宅施設「アットホームいわな」の二ヶ所への訪問、職員、入所者の激励、施設の清掃作業を行いました。
当日埼玉からは、数十名の一般ボランティアの方々も参加して早朝6時より福島県いわき市へと向かい、いわき市にて福島県本部の同士、一般ボランティアと合流し介護施設へと向かいました。
最初に訪問した老人介護施設「四季庵」は、医学的管理下での看護、介護、機能訓練、その他必要な医療と日常生活上のお世話などの介護保険サービスを提供し、入所者の能力に応じて日常生活を営むことができるように支援する施設だそうです。施設の説明を受けた後、施設長の支持のもと、まずは敷地内の除草作業を行いました。比較的きれいに整備された敷地内でありましたが、二つある中庭などは機械が入る事が出来ず手作業に頼ることしかできないとの事なので2班に分かれ、手作業で隅々まで草を取る作業に取り掛かりました。
この日は、早朝から晴天で気温も高かったので熱中症予防の為、十分な水分を取るよう指示し作業を行いました。中庭の除草が終わると施設前の庭へと移動し、そこでも庭の除草作業を行う事となりました。そこの庭は、入所者の部屋の前面にあたるため、入所者は部屋から手を振ったり、感謝と激励の言葉を戴きました。中には見慣れない来客に不思議そうな表情の入所者も居りましたが、こちらから挨拶をすると「ご苦労様、何処から来たの?」「きれいにしてくれてありがとうね」など入所者との和やかな雰囲気の中で作業は行われました。
ここでの作業も終盤になった頃、施設長より「ぜひ、昼食を食べて下さい」との事だったので入所者との懇親を深める意味でも施設内で昼食を共にすることとしました。入所者は、埼玉から来た事を告げると「遠くからありがとうね」とか「庭がきれいになってよかった」、「福島は放射能があるけどよく来てくれたね」とか複雑な会話もありましたが、みんな喜んでくれて入所者とのコミュニケーションを取る事ができたのは確かだったと思いました。休憩を挟み、午後からは、そこから車で10分ほどの施設へ移動しました。そこの施設は、医療連携型の高齢者向け賃貸住宅で自宅での療養生活が困難で介護が必要な高齢の方が入居しており、建物は、平屋建ての家屋が10棟程ありそれぞれの入居者が比較的自由に生活しながらも中央には管理棟があり各居室をモニターで監視するシステムの施設でした。
そこでも施設の説明を受け、施設長の指示のもと、除草作業や清掃作業を行う事となりました。
ここでは、各家屋周辺での除草作業や排水溝の汚泥撤去などを行いましたが、作業中この施設の入居者は比較的元気な入所者が多いため、ボランティア参加者は入所者との会話を楽しみながら作業をするなど、午前中同様入所者との楽しいひと時を過ごせていたようです。
作業も終盤になり除草した袋を一ヶ所に集めていると施設のスタッフより感謝の言葉を戴き参加者も介護スタッフと会話をした後、今回参加したボランティアスタッフに感想を聞くと「朝早くて大変だったけどきてよかった」、「暑かったけど最後まで出来てよかった」、「正直目に見えない放射能って怖いなって思った」、「機会があったらまた参加したい」、「お年寄りの気持ちが少しわかった」、「みんな喜んでくれてよかった」など率直な意見が交わされた後、今日一日気持ちを共有した仲間たちと解散する事となりました。
そもそも当初はいわき市でガレキ撤去等のボランティア活動を企画していましたが、いわき市役所やいわきボランティアセンターへ問い合わせしたところ、福島県では放射線量の関係で現在残っているガレキの移動や線量の高い所での作業は規制されているとの事で作業拠点を探す事が出来ないという経緯がありました。震災から1年3ヶ月経った今も、いわき市の海岸付近では、未だにガレキが放置されたままになっておりこの付近に住む住民は今でも放射能による不安な生活を送っている事を痛感させられました。
また、新聞記事によると東京電力福島第一原発から
20キロ以上離れた福島県いわき市が、重い課題に直面しているとの事でした。それは、原発事故後、避難が長期化する同県双葉郡3町が、そろって「仮の町」の候補先として、市内には既に2万人以上の避難者が暮らし、人口急増によって一部地域で公的サービスに支障が出始めているとの事でした。特に医療施設、学校での負担が重く圧し掛かっているそうで市内の通所介護施設では、「何処の施設も慢性的な人手不足で負担が増えている」とため息をもらしているとの事でした。また市内の学校でも避難児童の受け入れをしたが教師の数は増えなかったため教師一人の負担も重くなっているとの事でした。
今後、避難住民が今の生活を維持するには医療など受入自治体のサービスを利用せざるを得ないので元の自治体と避難先の両方に住民登録ができるなどの特別措置を認め、国の交付税も受け入れられるようにするなど、国の対応が早急に必要だと強く感じました。こういった現実を踏まえ、我々は今後も、被災地での負担が少しでも軽減されるような活動を継続的に行っていく決意でおります。
以上
平成24年6月
